趣意書並びに発起人

四半世紀記念万有シンポジウム
-万有シンポジウムの総括と発展-

2015年のノーベル賞に大村智先生、梶田隆章先生が決定し、日本の自然科学分野のノーベル賞受賞者は21人(米国籍を取得した2名を含む)となりました。特に、2000年以降の受賞者は16人と、アメリカに次ぐ世界第2位を誇り、これはまさに日本の科学技術のレベルの高さを示すものです。一方で、日本の科学技術を取り巻く環境の変化は著しく、基礎研究基盤の脆弱化、他国の追い上げ、若者の科学離れのなかで次世代研究者の育成等、将来に向けた課題が山積していることも事実です。
この環境変化に対応して、日本が科学技術立国としての発展を今後も継続していくためには、高付加価値を生み出す革新的な科学技術の創製とそれを最大限に活用した精密産業の活性化が重要であることは論をまちません。科学技術の革新と産業活性化のプロセスをリードする領域としての有機合成化学への期待はますます高まっています。

万有生命科学振興国際交流財団(万有財団)は、日本が国際競争力を維持し、発展するための鍵となる領域として有機合成化学に早くから着目し、四半世紀を超える長きにわたって万有シンポジウム(札幌、仙台、福岡、名古屋)を開催してこられました。この万有シンポジウムでは、延べ4万人以上の学生が有機合成化学の深遠さと広さ、その無限の可能性に啓発され、数多くの素晴らしい人材が育ってきました。

さらにこの10年、万有財団はLectureship Award MBLAや大津会議など、国際性、独創性のあるリーダーを育成するための新企画を次々と展開されました。有機合成化学を中心とした化学研究における我が国の国際的地位を保つ上で、万有財団の役割は無視することができないほど大きなものとなっています。

私たちは、長年にわたりこれらの活動を継続された万有財団に心からの感謝と敬意を表する機会として本シンポジウムを開催し、日本発のイノベーションを加速するために、医薬開発の根幹を担う有機合成化学は今後どのような方向を目指すべきなのか、さらには、今後の万有シンポジウム活動に期待するものは何かについて熱く語り合う場にしたいと考えています。

2016年3月
四半世紀記念 万有シンポジウム
発起人代表  中村 栄一
発起人 73名 (五十音順)

  • 相田卓三
  • 青山安宏
  • 秋山隆彦
  • 石原一彰
  • 磯部稔
  • 伊丹健一郎
  • 伊藤肇
  • 井上将行
  • 岩渕好治
  • 上田実
  • 上村大輔
  • 魚住泰広
  • 内山真伸
  • 大井貴史
  • 大石徹
  • 大熊毅
  • 大嶌幸一郎
  • 大嶋孝志
  • 北泰行
  • 北村雅人
  • 桑野良一
  • 桑原重文
  • 小林修
  • 佐々木茂貴
  • 佐々木誠
  • 佐藤美洋
  • 澤村正也
  • 志津里芳一
  • 忍久保洋
  • 柴田哲男
  • 正田 晋一郎
  • 新藤充
  • 杉野目道紀
  • 鈴木啓介
  • 袖岡幹子
  • 高橋孝志
  • 高橋保
  • 竜田邦明
  • 谷野圭持
  • 茶谷直人
  • 寺田眞浩
  • 徳永信
  • 徳山英利
  • 富岡清
  • 友岡克彦
  • 永島英夫
  • 中田忠
  • 中谷和彦
  • 永次史
  • 奈良坂紘一
  • 西川俊夫
  • 西山久雄
  • 野崎京子
  • 橋本俊一
  • 浜地格
  • 林民生
  • 樋口恒彦
  • 久枝良雄
  • 檜山爲次郎
  • 平間正博
  • 福山透
  • 藤田誠
  • 古田弘幸
  • 侯 召民
  • 松田冬彦
  • 丸岡啓二
  • 村上正浩
  • 森裕二
  • 八島栄次
  • 山口茂弘
  • 山口雅彦
  • 山本嘉則
  • 吉田潤一