“MBLA 2020”受賞者

BCA/MBLA
講演ツアー紀行文

BCA/MBLA講演ツアー紀行文

大松 亨介
“MBLA 2020”受賞者
MBLA講演ツアーを終えて
名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所
特任准教授

大松 亨介
「対話は研究の推進力となる」今回の講演ツアーを終えて改めて実感したことです。
 私たちは、研究を進めるために日々共同研究者と対話し、議論を重ねます。各々の興味関心の違いを背景に意見を交わすことで新しい発想が生まれ、アイデアが洗練されていきます。同様に、世界を縦横する多くの対話を通して多彩な哲学・価値観と触れ合うことは、自分たちの研究コンセプトを磨き、新たに輝く側面を見出す絶好のチャンスです。MBLAツアーでの対話は質と量の両面で圧倒的で、研究者として最高の経験を積むことができました。
 訪問した欧米10ヶ所のトップスクール・研究機関では、大学院生やポスドク、着任間もない若手教員から有機化学のレジェンドまで、本当にたくさんの研究者と対話する機会をいただきました。彼らは皆、自分たちの人生をかけ、あるいは飽くなき探究心やチャレンジ精神に突き動かされて研究を展開していました。すべての会話が刺激的であり、多くのインスピレーションが得られました。また、現在と未来のトップ研究者たちに、自分の研究コンセプトを直接伝えることができる講演会は夢のような体験でした。講演後に受けた質問やコメントから新たな着想やさらに前進する自信を掴むこともできました。論文発表や学会、相互の訪問など、様々な形でこれまで以上に多くの対話を続けていけると思いますが、そのきっかけとなる出会いの数々がMBLAの真価であると感じます。ツアーで得たものを次に繋ぐため、対話する人たちに何かを与える研究ができるよう、一層精進したいと考えています。
 最後になりますが、賞の設立から今回の旅程の調整に至るまでをお世話いただきました山本尚先生、審査委員の先生方、絶大なサポートをしてくださったMSD生命科学財団の皆様方、またご指導いただいた大井貴史先生、研究をともに推進してくれた研究室メンバーの皆に深く感謝申し上げます。

 

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