オーガナイザーから

第28回 万有札幌シンポジウム
フロンティアを超えて:有機化学その先

第28回 万有札幌シンポジウムOrganizer
北海道大学大学院工学研究院 伊藤 肇

 北海道で有機化学を学び研究している先生方や学生さんにとって、万有シンポジウムはビッグイベントです。今年も楽しいその日がやって来ました。今回の第28回万有札幌シンポジウムでは、「フロンティアを超えて:有機化学その先」というテーマのもと、6人の先生方をお招きしました。21世紀が始まって既に15年が過ぎ去り、人類が幸せに暮らしていくための境界条件(資源、人口、環境)は時間の経過と共により厳しくなっています。入手可能なリソースという観点からみると人類の文明はすでに一つの極大点を過ぎてしまっているのかもしれません。しかし、例えば「ライフサイエンス」一つをとって見てもまだまだわからないことが多く、これを解き明かすための科学の基礎ツールとして「有機化学」の役割は重要です。我々がこの状況を乗りきり、真に明るい未来社会を築くには科学技術の進歩が欠かせません。科学技術が大きく進歩するために研究者が意識すべき重要なポイントは、斬新なアイデアをもち、予期せぬ発見を見逃さず、地道な努力を続け、異分野との交流を楽しむことだと思います。このシンポジウムでは、有機化学や関連分野の最先端で、科学技術の進歩に大きな貢献をされている先生方をお招きしています。参加者の方々には、研究内容そのものを学んでいただく事はもちろんですが、イノベーションを生むための重要ポイントを、ご講演者の成功例から感じ取っていただきたいと願っています。
 150年ほど前、北海道の地は地理的な意味で日本のフロンティアでした。北海道の人々、文化の中には「フロンティア精神」が根付いています。今回の講師のうち、3名の若手の先生方が「北海道経験者」です。この北の大地にはフロンティア精神を養う力があるに違いありません。21世紀になり、北海道が世界の知のフロンティアとして、そこに学ぶ人達の力によって、人類の未来を明るく照らす大きな役割を担うことを願っています。
 最後になりましたが、公益財団法人万有生命科学新興国際交流団におかれましては、長年にわたり、北海道地区の学生や若い研究者たちに貴重な勉強と交流の場を与えてくださっていることに心から感謝の意を表します。