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シンポジウム BANYU SYMPOSIUM

第22回 万有札幌シンポジウム
構築的有機合成化学:医療そして材料科学の未来へ

オーガナイザーから

第22回万有札幌シンポジウムOrganizer

北海道大学大学院理学研究院 教授 鈴木 孝紀

思い起こせば20年も前、初めて万有シンポジウムに参加した東北大の助手のころ...。博士号をいただいて、直属の学生もつけてもらって、今とは全く違う意味で大きな夢をもって有機化学に取り組んでいました。有機電導体やクリスタルエンジニアリングそして結晶相反応、同じ有機化学の範疇でも有機合成とはかなり違ったところに興味の中心があった当時の自分にとって、万有仙台シンポジウムで目にし耳にする先端の合成反応はとても新鮮で、目を見開かれる思いがしました。

15年前札幌に移ってからは、万有シンポジウムはより身近なものになりました。理学部、工学部、薬学部、農学部そして触媒センターと、有機合成を専門とする先生方によって北大キャンパス内に大きなネットワークが形成されており、その交流の要として万有札幌シンポジウムがあったからです。シンポジウムに参加すると、招待講演者の先生方のケミストリーに触れられるばかりでなく、同じキャンパスで有機化学に取り組む研究仲間と知り合えるということは、大学院生に限らず、どの世代にとっても非常にありがたいことのように思います。

異なる学部の別の研究室で日々研究に没頭している仲間と情報を交換し、励ましあい、良い意味での競争相手となり、互いに成長し力をつけていく。このような構図で北大の有機化学がどれだけ発展したか、その発展にどれほど万有札幌シンポジウムが貢献したか、言葉では言い尽くせないでしょう。そのシンポジウムのオーガナイザーを仰せつかったことを大変誇りに思います。本年は、「構築的有機合成化学」というテーマの下、構造有機化学から医療に近い内容まで紹介していただくよう、幅広い分野の先生をお招きしています。大学院生の皆さんには、自分の専門を深めかつ興味を広げる機会、そしてより多くの研究仲間と交流する機会にしてもらいたいと思います。

また、北大キャンパスにおける有機化学分野での学部横断的な連帯が、3年前のGCOE「触媒が先導する物質化学イノベーション」(代表:宮浦憲夫先生)の採択へ、さらに本年4月発足の理工融合の大学院組織「総合化学院」設立というより大きな流れへとつながっていることを思うとき、20年以上の永きにわたり有形無形の支援を万有生命科学振興国際交流財団からいただいていることに対して、改めて御礼申し上げたいと思います。

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