2019年 オーガナイザーから

第31回 万有札幌シンポジウム
分子を見る!作る!使う!有機合成化学の今と未来

第31回 万有札幌シンポジウムOrganizer
北海道大学 WPI-ICReDD / 大学院理学研究院 澤村 正也

 平成から令和に時代は移りました。平成元年、第一回が開かれ、昨年30周年となった万有札幌シンポジウムにとって新たな発展の始まりです。すばらしい盛り上がりとなることを楽しみにしています。シンポジウムの目的は、若手研究者および研究者の卵の育成によって有機合成化学の発展に寄与することです。日々実験と勉学に没頭する学生たちが、著名な先生方の生の声から直接刺激を受け、学ぶことができる貴重な機会であるとともに、学生同士が楽しみながら切磋琢磨する絶好の場ともなっています。活気溢れるディスカッションタイムやポスター会場などを見るにつけ、万有札幌シンポジウムのさらなる発展を確信しています。知識、喜び、感動を分かち合い、励まし合う「知の交流」が、好奇心という「知識の卵」を生み、ここからまた新しいもの創りと真理の探求が始まることを願っています。
 今年のテーマは「分子を見る!作る!使う!有機合成化学の今と未来」です。有機合成化学はそのレベルの向上に伴い、周辺分野への影響力を高めてきました。北海道が誇る「鈴木-宮浦カップリング」の功績はこれを示す最たるものです。一方、理論化学、情報科学、計測科学など周辺分野の発展の成果を取り込むことで有機合成そのものも発展、拡張しています。このような有機合成化学の拡張を反映して、近年の万有札幌シンポジウムでは有機合成化学の伝統的分野に加え、ケミカルバイオロジー、機能材料、理論化学などの分野も包括するよう取り組んできました。今年も各分野でご活躍されている著名な先生方をお招きしています。ハイレベルの最先端研究に触れることで、今を見つめ、未来の夢を描く一日として頂きたいと願います。
 最後に、万有札幌シンポジウムの開催をご支援頂いております公益財団法人MSD生命科学財団に深く御礼申し上げますとともに、万有札幌シンポジウムが今後益々発展していくことを祈ります。

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