オーガナイザーから

第31回万有福岡シンポジウム
有機合成化学の変革~未踏の森に飛び込もう~

第31回万有福岡シンポジウム Organizer
九州大学大学院薬学研究院 大嶋 孝志
Co-Organizer
九州大学大学院薬学研究院 平井 剛
 2019年末から始まった新型コロナウイルス感染症の世界的流行(パンデミック)によって、人類が過去に経験したことのない非常事態に陥っています。日本においても、第1波、第2波、第3波と言われる感染拡大が起こり、社会全体に大きな影響を与えています。ワクチン接種の開始など、明るい兆しはあるものの、このまえがきの執筆時点で第4波が懸念されるなど、1年以上が経過しても、残念ながら予断を許さない状況が続いています。大学や学会協での教育・研究活動にも大きな影響があり、講義のオンライン化(対面式講義の禁止)、緊急事態宣言に伴うラボでの実験の制限、シンポジウムの中止・延期・オンライン化など、大きな変化にさらされ続けています。
 一方で、感染症対策を行っていく過程で、これまで見過ごされてきた様々な問題が浮かび上がり、遅々として進まなかった変革が一気に進んだ側面もあります。例えば対面式の会議やシンポジウムのオンライン化は、デメリットも存在するものの、移動時間の削減や、地域間格差の是正など、そのメリットを感じる機会にもなりました。また、実験型のwetの研究時間の制限は、wetとdryの研究の比重の再考につながり、企業だけではなく大学の「働き方改革」を加速化する契機となるのではないかと思われます。
 このような社会・教育・研究環境などの大変革にさらされている今、何が必要とされるかを考えていく中で、今回のシンポジウムでは「有機合成化学の変革」をメインテーマに取り上げさせていただきました。特別講演の野依先生を筆頭に、0から1を生み出す世界最先端の研究を展開されている5名の講師をお迎えして、変革を生み出すための、従来の研究にとらわれない柔軟な思考や強い信念を、参加者に届けていただきたいと思っています。また、「未踏の森に飛び込もう」という副題にあるように、本シンポジウムが、新たなチャレンジに一歩踏み出す勇気を持つ契機になればと願っています。
 本シンポジウムでは、万有シンポジウムの趣旨に則り、参加者、特に学生が、講師の先生の情熱を講演を通じて直接感じ、直接討論する場になりたいという思いから、対面形式での開催を模索し続けました。そのため、対面、オンラインの両方を検討し続けることとなり、参加者、そして運営メンバーには多大なご不便とご負担をかけることとなってしまいました。心よりお詫び申し上げます。感染状況や参加方法の希望調査の結果などをもとに、できるだけ多くの参加者の皆様の希望に沿った形での運営を行っていきたいと思っています。参加者の皆様には、今後とも引き続きご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。