オーガナイザーから

第27回 万有福岡シンポジウム
革新的新薬・新物質の創製~今こそ有機化学の力を結集せよ~

第27回 万有福岡シンポジウム Organizer
九州大学大学院薬学研究院 大嶋 孝志

 

Co-Organizer
九州大学大学院薬学研究院 王子田 彰夫

 現在の日本においては「4人に1人が高齢者(65歳以上)」であり、すでに「超高齢化社会」に突入しています。このような社会情勢の急激な変化や医薬品開発における国際競争の激化など、創薬を取り巻く環境は厳しさを増しています。また、医薬品に対する社会的ニーズは時代によって変化し、現在は、がんや中枢神経系などのアンメットメディカルニーズの高い疾患分野にシフトしています。そのため、人類の社会福祉に貢献する革新的な新薬・新物質の創製がますます強く求められており、「創薬力」の強化が国家的命題となっています。最近の新しい潮流として、例えばアカデミア創薬への期待が高まっており、また、オープンイノベーション型の研究が推進されています。革新的な新薬・新物質の創製には、ものづくりの根幹をなす有機化学の力が鍵であり、これまでの常識にとらわれない研究の推進が必要です。創薬や新物質創製にアカデミアへの期待が高まっている今こそ、個々の有機化学の力を結集し、現在我々が直面している様々な問題に立ち向かう時です。
 そこで、今回のシンポジウムでは「革新的新薬・新物質の創製」をメインテーマに取り上げ、有機化学・創薬化学・触媒化学などの分野で世界最先端の研究を展開されている5名の講師をお迎えし、新薬・新物質の創製に関わる多様な分野の基礎から応用までの研究討論を行いたいと思っています。また、「今こそ有機化学の力を結集せよ」という副題に、特に若手研究者の活躍を期待する思いを込めました。招待講演、札幌と仙台からの受賞発表者を加えたポスター発表、ミキサーなどの機会を活用し、本シンポジウムが今後の発展的連携への礎になることを願っています。
 本シンポジウムは、四半世紀の長きに渡り万有生命科学振興交流財団の多大なるご支援によって運営してまいりました。昨年、財団名がMSD生命科学財団となり引き続きご支援いただけることとなりましたが、運営の主体は財団から大学へと移行し、本シンポジウムの運営にも大きな変革が求められています。九州・山口地区の有機化学研究者にとって最も重要な会合の一つである本シンポジウムを、さらに次の四半世紀先にも継続していくために、参加者の皆様にはこれまで以上のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。

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