第17回万有福岡シンポジウム ケミカルバイオロジーを支える有機合成化学
Organaizerからのメッセージ


Organizer
九州大学大学院薬学研究院
教授 佐々木 茂貴

Co-Organizer
九州大学大学院工学研究院
教授 古田 弘幸

 第17回シンポジウムは九大薬の佐々木と九大工の古田がオーガナイザーとしてお世話させていただきます。万有福岡シンポジウムはオーガナイザー以外の組織委員会とアドバイサリーボードという多数の方々からのご協力を得て運営されており、特に今回はこれらの世話人の方々から貴重なアドバイスを頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。
 有機合成化学は、学問分野のなかでも機能創造に力を発揮できる重要な分野です。この分野の研究者は、頭にある「夢・空想」を化合物として「もの」として実体化できたときの嬉しさ、楽しさを忘れられずに、新たな喜びを求めてチャレンジを続けています。今回の第17回シンポジウムは、有機化合物の機能の中でも生体への作用をもつ化合物に焦点を当てました。「植物の記憶」「ケムバイオケム」などの演題を頂いたときには思わず「ミスタイプ?」と思ったほどで、あっと驚くお話が頂けるのが楽しみです。そのような機能創製の基礎を支える合成のご講演と、Merck研究所からは創薬現場での実用的不斉合成の話題も提供していただきます。
 このシンポジウムに参加される学生さんにシンポジウムを何倍にも楽しむ秘訣をお教えします。研究のブレークスルーには時として些細な結果や考察、偶然の発見が重要な役割を果します。講演の内容が現在の自分の研究とは直接関連していなくても、話の中にこのようなターニングポイントを探してみて下さい。分かりやすく強調される場合だけではありません。話の中に隠された秘密を探しながら聞くのもまた楽しいものです。懇親会の席で種明かしをおねだりしたらさらに重要な秘密が聞けるかもしれません。
 17回目となりました本シンポジウムは、九州・山口地区の有機化学研究者に勇気と元気を与えてくれる最も重要な会合の一つとなっています。長年ご支援して頂いている(財)万有生命科学振興交流財団、万有製薬(株)に心から感謝いたします。今回も、講演者の皆様、参加される皆様と共に楽しいシンポジウムにして行きたいと思っています。

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