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BCA/MBLA
講演ツアー紀行文

“MBLA 2007”受賞者
もう一度、行かせてもらえませんか

名古屋大学大学院理学研究科 教授 伊丹健一郎

「もう一度、MBLAツアーに行かせてもらえませんか?」これが今の私の正直すぎる思いです。無理だとわかっていながらも、こうお願いしたくなるのが、MBLAツアーです。質と量の両面からベストと断言できます。

2007年度のMerck-Banyu Lectureship Award(MBLA)を幸いにも頂くことができ、3週間弱の受賞講演ツアーに昨秋行かせて頂きました(2008年10月11~29日)。MBLAが有機合成化学に携わる若手研究者にとっての最高の栄誉だと実感できるのは、米国トップスクールとMerck研究所を巡るこの講演旅行です。RahwayとBostonのMerck研究所に加えて、Princeton University、Harvard University、University of California, Berkeley、StanfordUniversity、The Scripps Research Institute、University of Chicagoというこれ以上は望めないというラインナップでした。さらに、有機化学のオールスターともいえる先生方に各大学でのホストをして頂けるというボーナス付きです。このMBLAツアーでなければ、個人的に接することが極めて困難な先生たちばかりです。

間違いなくトップレベルの聴衆を前にして1時間の講演を行うのは、若手研究者にとってそれほどできる経験ではありません。緊張とうれしさを感じながら、こうした講演ができたことは、本当にいい経験になりました。詳細については有機合成化学協会誌(2009, 67, 250-256)に述べましたが、「人と人のつながり」の重要性を実感した旅行でもありました。全ての訪問先で食事会を講演前後に開いて頂きました。リラックスした雰囲気の中で、新しいつながりが生まれるのを実感しました。あるいは、自分が何かの一部だと感じる瞬間も何度もありました。この講演旅行で得た、かけがえのない経験と沢山の出会いが、これからの研究生活に大いにプラスになることは明らかです。これからそれを証明していきます。

最後に、絶大なるサポートを頂いた万有生命科学振興国際交流財団とMerck Research Laboratoriesに心から感謝申し上げます。

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